「脳内ポイズンベリー」 水城せとな
どうしたらいいかわからない！29歳・いちこの頭の中のパニックを、擬人化された記憶や理性たちが大会議。時には触れてはならない暗黒付箋も…どうしたら、思ってること全部伝わる？
うるさい脳内に惚れた！
ぐしゃぐしゃーっとした感情を言葉にするなら、きっとこんな感じ
理性、経験、ポジティブ、ネガティブ、なんとなく。人の”判断”のきっかけは様々。
それをもし、”最善の方向”に導こうと取りまとめてくれる議長が、自分の頭の中にいたとしたら？
自分の身の回りのことを、ポジティブはいい方向に捉え、ネガティブはあげ足を取り、黒歴史を封印した”暗黒付箋”を記録係がちらつかせている…
自分が”最善”と思うことは過去の経験から。過去の経験にないことはしない！それが安全かもしれないけれど、それじゃあ今まで上手くいかなかったことは今後も上手くいかない！冒険だってしてみなきゃ、人生何も変わらない。
おかげで頭の中は大騒ぎ！でもいい加減、逃した幸せを掴みなおしたいし、彼と近づきたい…でも上手くいかないかも…もうなんだかよくわからない…！
今日も引き続き、脳内の議題は”幸せについて”です！！
あーてぃすとに惚れた！
29歳女子・いちこにはハードルが高すぎる！？
年下の彼（23）を前に、いちこ（29）は「こんなことしたらウザいかな」「嫌われたらどうしよう」と勝手な思いを巡らせるけれど、”あーてぃすと”な彼には言わなきゃ全然伝わらない！こんなにすれ違うのって…
でも時には、以前いちこが一人で歩いたのと同じ道でいちこの家に来ると言ったりして、相手の都合なんてお構いなしだけど、やっぱりそういうところがかわいいし好き！
リプレイ機能に惚れた！
だって言ったじゃない！…あれ？違ったっけ？
彼の発した言葉、その時の情景をリプレイしてみる
ポジティブやネガティブが段々と脚色を加えていく
最終的になんだか違うことになっている
「俺そんなこと言ってねーよ」
だから男と女は分かりあえないのかもしれないですね・・・
いちこは”女子”そのものです。
こんな風にてんやわんやなるのって、いちこだけじゃないと思います。と、言うよりも、いちこを見て、こんな風に悩んでもがいているのって、私だけじゃなかったんだ…！と、いちこを通して希望を持てます。
ネガティブにポジティブに考えて、もがき苦しむのは幸せになりたいから！恥ずかしい思いをしたって、死ぬわけじゃない！たまにはちょっと黒いことだって考えちゃう！
いちこは女子そのもの。一緒に悩んで、もがいて、幸せを目指してみませんか？
作品紹介
